第4期 障害者の地域生活支援研修
(社団法人日本社会福祉士会 生涯研修制度専門分野別研修)



1.研修の目的
 この研修は、障害のある人の権利を擁護する立場に立って、当事者主体のもと障害者の地域生活支援を実践するために必要な社会福祉士の力量を養成することを目的としています。
※ 今回、国の相談支援事業研修の内容が変更され、受講者には自らが携わったケースのプランを持参することが求められることになりました。(この研修では従来からこうした手法を取り入れています。)
  この研修では、障害者の地域生活支援に携わるケアマネジャーに求められる当事者主体・当事者中心の支援というケアマネジメントの核となる力量から、地域のネットワークの核になる存在として活躍できる力量の向上までをねらいとしています。
 現在、障害者の地域生活支援に携わっている人だけでなく、入所施設で障害者支援に携わっている人、また高齢者領域で活動しているが障害者の支援も行う人など、地域生活支援の考え方や力量を学ぼうとする人たちの受講をお待ちしています。

2.研修期間  2006年10月〜2007年9月(1年間)

3.受講対象者 次の(1)又は(2)のいずれかの条件を満たす者
(1)次の@からBまでの条件すべてを満たす者
@日本社会福祉士会会員である者
A生涯研修制度「共通研修課程」修了有効期間内にある者
B地域生活支援プランを必要としている障害者の支援プラン(現在地域で暮らしている人の支援プラン、これから地域で暮らそうとする人の地域移行支援プラン)を作成し提出できる者
(「ケア計画の作成」等の課題作成において、当事者の方にご協力いただく必要があります。協力をお願いした方のケア計画等を作成するようになるので事前に了解をとった上でお申し込みください。なお、協力いただく当事者については職務として支援をしている方でなくても結構です。)
(2) 所属の都道府県支部推薦を得られる者で、@からBまでの条件すべてを満たす者
@上記(1)の@Bを満たすこと
A地域における障害者支援の実践実績があること
B受講決定後、受講キャンセルをしないこと

4.定 員  80人(受講希望者が定員を超えた場合は、先着順で決定します。)
※支部推薦については、各支部1名は受講を優先します。

5.受講料  前期受講費 30,000円(スクーリング費用、テキスト等教材代含む)
後期受講費 25,000円(スクーリング費用、テキスト等教材代含む)
※スクーリング参加時の交通費、宿泊費、食費等は含まれていません。

6.研修方法 通信研修(課題レポートの提出)、集合研修(前期・後期)、所属支部における実践報告会の実施

7.申込方法
申込用紙に必要事項をご記入のうえ、申込用紙に記載されている申込先まで郵便またはFAXにてお申込ください。    

8.申込期間 2006年8月9日(水)まで(定員に達した場合は、期間前に締切らせていただきます。)

9.主催  社団法人日本社会福祉士会 生涯研修センター

−お問い合わせ先(受付時間:月〜金曜日 9:30〜17:30)
(社)日本社会福祉士会 事務局
TEL:03−5275−3580
FAX:03−5275−0139
E‐mail: kitamura@jacsw.or.jp  担当/北村裕美子・牧野一義

 




10.研修科目 

<科目群>

<科目名>

(1)総 論

@地域生活支援の考え方
A地域生活支援の今後の取り組みと課題

(2)当事者の声を聴く

B「個人将来計画について」を読む(事前学習)
C当事者の声を聴く(理論編)
D当事者の声を聴く(演習)

(3)ケア計画を立てる

E地域生活支援の方法(理論編)
Fケア計画を作成する(演習)
Gケア会議を実施する(演習)

(4)地域ネットワークをつくる

H地域ネットワークをつくる(理論編)
地域ネットワークをつくる(演習)
I社会資源を開発する(理論編)
社会資源を開発する(演習)

(5)実 践

Jケア計画の作成(中間課題)
K地域ネットワーク計画の作成(中間課題)
L「私の今後の取り組みと課題」の作成(事後課題)
M支部への「ネットワーク実践報告」の実施(〃)




研修受講修了者からの声

障害者の地域生活支援研修を修了して  北海道支部 清野光彦
 私にとって第2期障害者の地域生活支援研修は、コミニティソーシャルワークの原点を再認識する意味において大変有意義であった。特に前期スクーリングでの「当事者の声を聴く」というプログラムでは、地域生活実現に向けての「想い」をしっかり聴く事の難しさを味わった。どんなに小さな「想い」にも、「当事者」の夢と希望がぎっしりつまっている。その「想い」の実現を支援するためには「心を傾けて聴く」あるいは「想いを共有する」という姿勢が必要であろう。しかし、私たちは、経験が豊富になるにつれて、無意識のうちに「専門的知識や技術」を盾に上下の関係性を構築してしまうこともある。
 当事者と向き合うことの普遍的価値は、「専門性」と対極にあるものではない。「誰のための」「何のための」支援であるのか、そしてその実現のための地域とはどうあるべきなのか、今一度しっかり考えておく必要があろう。
この研修は、そんな「気づき」の機会を与えてくれた。より多くの方々が自分の立つべき位置を再確認する意味でもこの研修の受講をお勧めしたい。

障害者の地域生活支援研修を修了して 長野県支部 山田小百合
第1期生として地域生活支援研修を受講させていただきました。この研修を受講した時点で私は知的障害者の入所更生施設に10年以上勤務しておりましたが、見えていなかったもの、聞く事ができていなかった事がこんなにもあったのか…という思いが強くいたしました。何より痛かったのは支援者側からは「趣味などへのお誘いにもなかなか自発的に動いていただけない方」という風に考えられていた方からの『ここでは自分が動く必要が無いじゃない』という一言でした。そうです、その方は自分が暮らしの中で必要とされて動きたかったのです。当たり前ですよね。その当たり前を、どうやったら叶えていくことが出来るのか、簡単には行きませんがそのことを学ぶのがこの研修だと思います。法律も変わり厳しさの増す中、益々支援者側にも力量が必要になってくるのではないでしょうか。一緒に学び続けていければと思っております。


11.研修スケジュールと内容(予定)

日程等

 

科 目 名

内  容

2006年
10月

研修開始

研修案内、テキストの送付

課題
提出期限
11月15日


T

自宅学習

事前課題
B「個人将来計画について」を読む【レポート提出】

テキストに掲載されている「個人将来計画について」を読み、各自の実践を踏まえて当事者の声を聴くことの意味・方法についてまとめる。

12月16日〜17日
1泊2日東京都内を予定


U

前期
スクーリング

講義
@地域生活支援の考え方

本人主体の地域生活支援の理念・価値、意義・方法論などについて学ぶ

講義
C当事者の声を聴く

本人主体を重視して当事者の声を聴くことによって、当事者も援助者もニーズに気づくことの意義・目的を学ぶ。

演習
D当事者の声を聴く

障害当事者へのインタビューを通じて、本人主体を支援する援助者の態度や、方法、本人のニーズを把握するための方法などを理解する。
※当事者は主催者が手配します。

講義
中間課題の説明

後期集合研修までに行う中間課題の説明

課題
提出期限
2007年
2月28日


V

中間課題

課題
Jケア計画の作成
【計画書の提出】

受講者各自で、自分の担当する当事者(利用者)のケア計画を作成する。
※当事者の協力が必要となります。

課題
Kネットワーク実践計画書の作成
【計画書の提出】

受講者各自で、それぞれの実践現場で、今後どのようなネットワークを形成していく必要があるかを考え、ネットワーク形成のための計画を作成する。
※当事者の協力が必要となります。

7月中旬

1泊2日東京都内を予定


W

後期
スクーリング

講義
E地域生活支援の方法

地域生活支援の方法であるケアマネジメント、地域ネットワーク等について学ぶと共に、両者の関係性についても理解する。

演習
Fケア計画を作成する
Gケア会議を実施する

ケア計画作成について学ぶと共に、本人参加のためのケア会議の開催方法について学ぶ。

演習
H地域ネットワークをつくる
I社会資源を開発する

社会資源開発・ネットワーク形成・地域社会改革の方法について学ぶ。

講義
A地域生活支援の今後の取り組みと課題

日本における障害者の地域生活支援の現状と今後の課題について学ぶ。

課題
提出期限
8月31日


X

事後課題

課題(1)
L私の今後の取り組みと課題
【レポート提出】

研修全体を通じて学んだことを踏まえて、参加者個々の地域生活支援実践の今後の課題、行動計画をまとめる。

課題(2)
Mネットワーク実践の評価
【支部での報告会の実施】
【実施報告書の提出】

支部において「ネットワーク実践」の報告会を実施する。その実施が行われたことを持って、すべてのプログラム終了とする。
※開催について支部の協力が必要となります。

*数字は、左ページの科目名の数字
*進行状況により変更される可能性があります。