名古屋タイムズ記事
A少年の実質再審請求へ

神戸事件から5年
A少年の実質再審請求へ
神戸家裁へ「保護処分取消」申し立て

名古屋タイムズ2002年5月28日(火曜日) ニュース特捜隊

 [頭略]後藤昌次郎弁護士らの市民グループが、神戸家裁に対し実質的な少年審判の「再審請求」に当たる「保護処分取消」を申し立てた。[中略]今年夏に二十歳となるA少年に対し少年院側が「さらに長期の収容が必要」として神戸家庭裁判所に申請する見通しとなっている。(田)

 訴えの申立人は、後藤護士のほか、ノンフィクション作家の伊佐千尋氏、元大阪高等裁判事で弁護士の生田暉雄氏、マイケル・フォックス兵庫短期大学助教授、矢沢昇治専修大教授ら二十一人。

 「保護処分の取消申請」は、少年法の規定や解釈、これまでの実務上の扱いから、少年本人や両親でなくとも第三者が家裁に対し「職権の発動」を求める申し立てができる、との判断に基づくもの。これまでに前例がなく、少年審判の再審に新たな道を開くものとして注目される。

[中略]

 申し立てには、後藤弁護士が被害少年の死体の形状について、法医学の内藤道興氏(元藤田保健衛生大教授・山形マット死事件の鑑定医)に照会した「回答」が新証拠として提出された。

 それによると、 [中略]A少年の自白調書との矛盾点を明らかにしている。

記者会見
23日神戸海員会館シーガル神戸第6会議室での記者会見
[この写真は告発を支援する会独自のもので、記事のものではありません]

「われを偽告発罪で告発せよ」
後藤昌次郎弁護士 裁判所へ“挑戦状”

名古屋タイムズ2002年5月28日(火曜日) ニュース特捜隊

 五年前A少年を逮捕した時、取調官らが少年をだまして自白させ身柄を拘禁したとして、同グループが当時の兵庫県警警察官、神戸地検検事らを特別公務員職権乱用罪【濫用/ママ】などで告発していた「付審判請求」は今年一月、最高裁によって特別広告が棄却された。

 告発の中心となってきた後藤弁護士はこのほど、請求を棄却した神戸地裁、大阪高裁、最高裁の裁判官十一人に対し、「裁判官よ、われを告発せよ」と題する「要請書」を内容証明付きで送付した。 要請書とあるが、その内容は裁判所に対する“挑戦状”。五年前、神戸家裁が違法な捜査があったと認定し、少年審判の証拠から排除した警察調書を「職権乱用の嫌疑なし」として不起訴処分にした。取調官が少年をだました事実はないと、裁判所が判断したというわけだ。

[中略]

 警察・検察を告発した後藤弁護士らの請求に対し裁判所が「職権乱用の嫌疑なし」と判断したということは、後藤弁護士らが虚偽の告発をした、ということなる。

 ならば後藤弁護士を虚偽告発罪で逆告発することは、裁判所の義務である、というのが、同弁護士の言い分だ。  「[中略]私が紛れもない当事者となって、真実を法廷で明らかにしてやろうじゃないか、ということです」

[中略]

 一方、付審判請求は棄却されたが、警察・検察の告発は、同じ事件でも告発人が違えば法手続上何度でも可能で、生田弁護士ら二十八人の新しい告発人が、同日神戸地検に「告発状」を提出した。

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