法務省厚生労働省への要請葉書の訴え

長野英子
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新聞報道によると、与党のプロジェクトチーム報告書に添った形でいわゆる「触法精神障害者」に対する特別立法が来年早々国会に提出されようとしています。私は以下の点でこの報告書を批判します。

一 「再犯のおそれ」を要件とした拘禁および保護観察下の強制医療は、明白な予防拘禁および予防的な人権制限であり、「精神障害者」にのみそうした予防的措置をとることはなんら合理性がなく、「精神障害者」差別そのものである(憲法第14条「法のもとでの平等」)。

二 対象者の収容や保護観察決定にあたっては、対象者はその病状からいって防御できる余裕があるとは考えられず、裁判もなしにまた防御権保障もなしに拘禁や保護観察下の強制医療を決定されることになり、冤罪のまま対象者とされ永久拘禁されるというおそれもありうる。重大な人権侵害である(第32条「裁判を受ける権利」、第33条「逮捕の要件」、第34条「拘留・拘禁の要件、不法拘禁に対する保障」)。

三 すでに措置入院制度によってこの報告書対象者にあたる「精神障害者」は健常者以上の長期永久ともいえる拘禁を受けている。この報告書に基づく「判定機関」も「解放したものがまた事件を起こしたら非難される」というおびえから、釈放や解除に消極的となり、対象者は永久の拘禁あるいは地域での保護観察対象となり続けることは明らかである。

四 専門治療施設の医療内容は明らかにされていないが、この対象者のみを選別し治療するする医療的医学的根拠はない。永久の拘禁下で絶望した対象者への医療は、「本人のための医療」ではなくひたすら「保安のため」「管理のため」の強制医療となり、電気ショックや薬漬けが横行し、脳外科手術すら復活しかねない惨状となることは明白である。

五報告書は同時に「精神障害者医療および福祉の充実強化」を述べているが、保安処分を行いながらの精神医療および福祉の充実強化は、精神医療および福祉を「犯罪防止」の手段に貶めるものであり、ますます多くの仲間の不信と疑念を招き、防衛上私たちは一切の医療福祉の拒否へと追い込まれざるを得ない。

 上記報告書に基づくいかなる特別立法、特別施設も作られないよう、厚生労働省および法務省へ要請葉書あるいはメールを出されるよう訴えます。文例をご参考までに書きましたが、それぞれ自由な内容で意思表示をしていただけたらと存じます。

文例
与党「心神喪失者等の触法および精神医療に関するプロジェクトチーム」報告書にあるいわゆる「触法精神障害者」への特別立法および特別施設は、「再犯の危険性」を要件とした予防拘禁であり、医療を治安の手段とする保安処分です。私はこうした特別立法および特別施設の新設を許しません。報告書に基づく何らかの「触法精神障害者」に対する施設新設あるいは対策立法作成をしないよう強く訴えます。

あて先
厚生労働省精神保健福祉課
〒100-8916 千代田区霞ヶ関1−2−1
電話 03-3501-4864(直通) ファックス 03-3593-2008(直通)
電子メールアドレス www-admin@mhlw.go.jp(代表)
法務省
〒100-8077千代田区霞ヶ関1−1−1
電話03−3580−4111(代表) ファックス 03-3592-7393(代表)
電子メールアドレス webmaster@moj.go.jp(代表)

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