2001年7月23日掲載
「少年法、厳罰化は有効か(下) 情報共有し不安なくせ 被害者への償い、生涯かけて」抜粋 |
日本経済新聞2000年11月12日(日)朝刊 |
-----少年法改正のきっかけとなった特異な少年犯罪は、厳罰化で減るのでしょうか。
-----責任を厳しく問われないと知っているから、犯罪を行うのだ、との声が強いのですが。
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「改正少年法で現場の声」 (寄稿) 抜粋
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神戸新聞2000年11月28日付より |
私は、保護が可能な少年に刑罰を科しても、一時逃れであって、やがて社会は新しい困難に直面するのではないかと危ぐしている。従って、今後も調査官や鑑別所が「保護可能」との意見を提出してきた場合は、殺人や致死事件であっても、なるべく保護処分に止めたい。しかし、「少年審判は見えない、甘い」との社会からの批判と折り合いを付ける方法は考えている。
その一は、保護処分に付す少年の問題点や再教育の内容・方法・期間と成功の見通しなどを分かりやすく社会に公表すること。
その二は、遺族の希望があれば審判手続きのすべてに参加していただく方法を講じること。
その三は、審判段階で、社会に復帰して働くことができるようになってからの償いの方法や内容を少年に具体的に語らせ(毎月何万円かを欠かさず届けるというような内容)、遺族に知ってもらうとともに社会にも公表すること。少年院にいる間も、毎日一時間程度のアルバイトをさせてもらい、ためたお金に手紙を添えて毎月遺族のもとにお送りするような制度が始まるよう働きかけること。
その四は、補導委託、退院後の雇用、弁償のためのアルバイトの支援などについて、社会の多くの方々のご参加、ご協力を呼びかけること。
その五は、法律家たちが中学校へ出向いて、非行抑止のための教育に取り組むシステムを作ることなどである。
その他として、参審制度(注)を作ってもらって、国民代表の参審員と、実際のケースについて、保護と刑罰のどちらが適切か十分議論させてほしいと希望している。 |