ブッシュ大統領に反戦のテレパシーを送ろう


 フランスのアーティストで、ベン・ヴォーティエという人が、Centre telepathique (テレパシー・センター)というイベントをやっています。
 1月10日の特定の時刻に全世界の人々からブッシュ大統領にテレパシーを送ろうというものです。
http://www.ben-vautier.com/

なかなか素敵なサイトです。

【ヴォーティエ氏のメッセージ概要】

 私は、テレパシーがいつも有効だとは思いませんが、大勢の人の思いがひとつにな ること、それが巡り巡っていくことの力というのはあると思います。そこで、テレパ シーとテレキネシスを実施してみることにしました。

 ☆ 対象は、米国大統領ジョージ・ブッシュ氏です。

 ☆ 目的は、イラクでの戦争を彼に思いとどまらせることです。。

 思念が力を発揮するためには、同一の時刻に一斉に思念しなければなりません。
 時刻を1月10日の米国東部標準時間で10時33分〜36分(日本時間24時33分〜36分) とします。
時刻は下記のURLで合わせられます。
http://www.fujinet.co.jp/ylink/yakudatitenkilink.htm#jikan
http://www.jal.co.jp/cgi-bin/jal/worldclock/wwatch_main.cgi?NRT

 この時刻が来たら、心を澄まし、落ち着いて、次のようなブッシュ氏へのメッセー ジを心の中で、心をこめて唱えてください。

「米国大統領殿
 これからお送りするメッセージは、世界の人々の集合的思念から発するものです。
 そのメッセージとは、次のことです。
 私たちは、あなたがイラクでの戦争を望んでおられることに反対します。
 なんとしても、あなたの世界観を変え、戦争の準備をやめてください。
英文

   メッセージの転送時間は3分間です。

 テレパシーを送るためには、心を静かに整えて集中してください。

 磁石でワシントンの方向を正確につきとめておくのは、よいことです。

 メッセージは、あなた個人で送るのでも、仲間と一緒に送るのでも結構です。心の 中で唱える主語が私であっても私たちであってもかまいません。

 試してみる価値があると思いませんか

   ご賛同の方は、このメッセージを広めてください。

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 (転送者注
定刻より少し前から心を鎮めておくといいと思います。

 この行動は、誰の害にもなりません。

 私自身は、思念が伝達されたと見てよい現象をごくわずかには体験していますが、いつもそんなことがあるわけではありません。ただ、同じ思いの人がまわりにいることによって、それが強化されるのではないかという印象は受けています。

 唯物論者の方は、次のように考えてみてはどうでしょうか?
 テレパシーというのも、未知の物質的理由による現象かもしれないではないか。
 自分が自分の主義に背くのは、ブッシュが平和を望むよりは簡単だろう。
 もちろん、無理にとは申しませんが

 ブッシュというのは悪人だから、何も届かないだろうという思いはもたないほうがいいと思います。あの程度の愚かな悪人は世間に珍しくありません。監獄産業が栄える米国にはざらにいる殺人や暴力や詐欺で監獄に入っている囚人と、彼の間にどれほどの差があるでしょう。彼の境遇と地位が、あんな平凡な人物を世界一有害な人間にしてしまったのです。そして、どんなに悪い人間でも変わる可能性はもっています。もちろん彼が現実に別人になることは望めませんが、彼の心の深層に一定の働きかけをしてみることは無意味ではないかもしれないのです。ワシントンの大通で10万人、20万人のデモをすることのように。

   上記のメッセージはすでに方々に流しましたが、案外いろいろな人から反響がありました。
 これまで意見のやりとりをしたことのない方も多数おられます。
 日ごろそんな話をしないような常識のある人たちからの賛同が多いのも、面白いことです。ちょっと変な気持でもあります。こういうことは、あんまりしょっちゅうやってはいけないでしょう。

 元のヴォーティエ氏の案には、ブッシュ氏の口をきけなくする、といった内容も含まれていたのですが、あるMLで女性のメンバー複数から疑問を呈されたので、やめました。ヴォーティエ氏にも伝えてありますが、氏からは特に回答はありません。

 その女性の意見というのは、テレパシーが効力をもつものだとすれば、それで人に思いを伝えるのはともかく、体の動きを拘束するというのは、暴力性をおびていて、容認できないというものです。
 超能力に関する用語の使い方を正確にしておくと、テレパシー(メッセージの遠隔伝達)は、いいが、テレキネシス(遠隔操作)はいけないということです。
 悪用の恐れも出てくるだろうと、その人は言うのでした。
 これは、私も当初から思い浮かんだことなのですが、なにせ、ブッシュ氏のこれまでやってきたこと、これからやろうとしていること(テキサス州知事として150人以上の人を処刑しました。1976年以降の米国全50州で600人なのに、ブッシュ氏の知事在任6年だけでです。そして、アフガンでも、イラクでも万単位の人---多くは子ども---を殺し、殺そうとしています)に比べれば、3分間、氏の身体の一部を不自由にするなど、かりに実現しても、あまりに僅かなものでしかない。
 ただ、こういうことがあんまり流行ると、気持の悪い世相にはなります。

 ラエリアン・ムーブメントがクローンの子どもを生んだなどと言っているくらいで、すでにそうとう気味の悪い世の中になっているのですから。

 戦争をやめろというメッセージを送っても、あのような人が受け取るわけはないので、念が有効に送られた証拠がどうしてもほしいのも事実です。しかし、かりにブッシュ氏が、プレッツェル事件につぐ第二の珍事を起こしてくれても、ホワイトハウスは隠すのではないかとも思うのです。

 そんなわけで、私としては、予定通り10日の真夜中になったら、3分間、じっと真剣に黙想しますが、あの人物の体の動きを指定するようなメッセージはやめておこうと思いますし、皆さんにも、そうお願いしたいと思います。

 それじゃ、ただのお祈りじゃないか、なんて言われると困るのですが、それでも、世界全体の人たちが思いをひとつにすることができるならば、大きな意味があるでしょう。

   もちろん、10日の米国東部時間10時33分から36分までの間に、ブッシュ氏がまたもやプレッツェルを喉につめても、それは単なる偶然です。

 なお、この行動にご参加くださる方から、ご感想などいただければ幸いです。 すでにいただいたお便りによると、ある方は、筑紫哲也のニュース23にもメールを送ってくださったそうです。また、あるジャーナリストの方からは、みなが心をひとつにすることに意義を感じるから参加するとのメッセージをいただきました。テレキネシスの暴力性をご指摘くださった方、時刻合わせのURLをご教示くださった方もあわせ、この場でお礼を申し上げます。

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ブッシュ氏に送るメッセージ(英文)
べつにこの通りでなければならないわけでもありませんが、ご参考までに。

Mr. President of the USA,

The message which arrives to you in this moment comes from a world
collective thought.

We are against your desire of war on Iraq
We think you have to change your vision of the world and stop the
preparations of your war against Iraq.

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テレパシー後記

 アホとまちがわれるかと、恐る恐る方々に流してみたテレパシー・イベントのお知らせでし たが、皆さんに温かく真剣に迎えられ、感激しています。

 皆で心を合わせましょうと呼び掛けたら、大勢の人が考えを分けてくれました。自 分は自分一人で物を考えてるわけではないなあ、とつくづく感じます。たいへん幸せ なことです。

 ところで、 オカルトというものが、なぜ、警戒されるかというと、

1) 物質的な法則が簡単に破られるようでは、混乱がおきる、ということが、ひとつ あ ります。

2) それとともに、物質的な普通の法則から逸脱してもいい、などというと、射幸心 の つよい人が、まじめに努力せずに、ぬれ手にアワの大儲けや、人を勝手に支配するこ となどを狙いますから、これも感心できません。
 というようなわけで、あまり大っぴらにやらないほうがいい(これが、秘匿=オカル ト、ということのひとつの意味かな、と思います)

3) 物質的な法則とともに、心の法則性(倫理性や政治性と結びついた)も、オカルト によって無視され、抑圧されてしまうことがあります(これがマインド・コントロー ルでしょう)。

  4) それと、目に見えぬ力で人を支配操作するというのは、権力者のための手段とし て とっておきたいから、それで秘匿する(これがオカルトということのもうひとつの意 味でしょう)ということもあるでしょう。優れた技術は独占したいものなのです。

5) 「わざわいの時代は印を求める」とイエスも言ったように(マタイ福音書12-39) 世の中の混乱とオカルトブームはいつも同期しているので、胡散臭がられるというこ ともあるでしょう。しかし、それは、あまり公平な考え方ではありません。

6) オカルトに往々封建道徳復興のイデオロギーがくっついているということもあり ますが、これは、分離すればいいことでしょう。

・・・こんなことを書いて、あちこちに流したら、メールで知り合っていたある人が、イギリスからはるばる、次のようなメッセージを送ってくれました。
 きわめて原則的な点の指摘なので、掲げます。

坂野 正明です。
あけましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。

ちょっと気になるメイルがあったので、コメントを述べさせて下さい。

> 付記)
>  オカルトというものが、なぜ、警戒されるかというと、

誰によって警戒されるか、というのが問題ですが、それをおいておいて、 私自身は、オカルトが好きではありません。

最大の理由は、公正な観察力と、なにより自由な想像力をストップさせるから です。世の中には現代の科学で説明できないことはそれはそれはたくさん ありますが、それでも、多くのこと(人々が思っているよりはずっとたくさん のこと --- 世の大抵の事象)は、多少の知識ととらわれない観察力と少しの 想像力とがあれば、科学的に、もしくは論理的に説明できます。

ところが、そこに"超自然"を持ち込むと、何でもあり、になってしまいます。
あれは何だ! UFOだ!(←意味的には正しいですが) 宇宙人の飛行物体だ!

あるいは、
あれは何だ! わけわからん。神の御業だ!
と結論づけるのはあまりに簡単です。しかし、多分、多少の知識と観察力と 健全な想像力とがあれば、色々な可能性を吟味できます。たとえば、飛行機と 大気の状態と光の加減とでUFOは実に簡単に"作れます"。実際、UFOは、基地の 近くで夕暮れ時によく"報告"されているのが知られています。

仮に自分が思いつく可能性が全て排除されたとしても、少し謙虚に考えれば、 単に自分が見落としている事実や解釈があるだけかも、と思えるはず。加えて 言えば、人の感覚や記憶は、実によく主観に左右されます。「見えているもの が見えるものではなく、見たいものが見えるもの」という至言があります。
一方、もし公平な記憶を保つことができていれば、たとえば、何年か後、ちょっ と賢くなっていて、ふと思い出した時、"ああ、あれはこういう可能性で説明 できたな"と思い当たる、ということはありがちでしょう。

オカルトを持ち込むと、何でも簡単に説明できてしまいます。それは 健全な思考、可能性を疑うという想像力を阻害します。それが最大の害悪だと いうのが私の認識です。

そして、オカルト的考え方は、権力者にとって、実に都合のいい、市民に 推奨したい考え方だと思います。健全に思考できる市民ほど権力者にとって 厄介な存在はない、と思うからです。

"ブッシュさん宛テレパシー"に水を差すつもりはありません。私自身は 傍観の立場ですが、ひとつの action かも知れない、と思います。ただ、 オカルトに関するお考えに、抜けている大事な視点が あるように感じたので、コメントさせて頂きました。

 なるほど、私の文章には大きな欠落がありました。

 坂野さんの考えは、基本的に健全なものです。
 見かけ上ちょっと想像外/あるいは希望通り、の現象が起ったからといって、 特別な存在を説明の根拠にする必要はないからです。それはちょうど、じゃがいもが 煮えたり、子どもが転んだり、雨が降ったりするたびに、いちいちアインシュタイン の相対性理論を持ち出す人はいないのと同じです。圧倒的に多くの地上の現象はニュ ートン物理学で説明しておけば足りる。余計な贅沢をする裏には、なんらかのエゴが 潜んでいるのだと思ってもいいでしょう。少なくとも、そういう世界観に固執すると したら、大変に有害なことです。

 ただし、以下のことは付け加えておきます。

 UFOは、オカルトでしょうか? 既知の地球大気圏内の現象 の分類枠には収まりませんが、あれはあくまで通常の人間の感覚で捉えた自然現象(地球外ではあれ)の存否を問 題にしているだけで、かならずしも、オカルトだ、迷信だと決めつけるべきことではないと思います。
[米国空軍はUFOを星だと言ったり、湿地帯の沼気だと言ったりしていますが、レーダーで捕捉されたものが星ではありえませんし、沼気は色々な光りを放って人のあとをついてきたり、家畜を怯えさせたりはしません。空軍のスパイ機だという説は、音がしないこと、人をつけまわしたりすることと矛盾します。こういう例はUFO目撃例のうちほんのわずかなものですが、上記のような説では説明できません。私はUFOを見たことがないので、その存在を信じるも信じないもないのですが、未知のものを否定することが科学的だとは思いません。]

 権力者は大衆が本気でオカルトに入れ込むことを望んでいるかというと、そうでもないです。
 聖書でも祝詞でもそうですが、まじないをする人間は厳しく取り締まられ、死刑に 値したのが、真相です。
 オカルトという言葉自体がそれを示しています。秘匿するのは、大っぴらにしては 具合が悪いからです。
 セックスがそうであるように、きわめて奇怪なタブーだと思います。

   権力者にとって「宗教」を大衆にあてがって おくと都合がいいのは、それが、人 間を越えたものを思念させることで、宿命論に人を連れ込み、権力への従順を、刷り込むことができるからです(それこそが、まさに、憲法や教育基本法の改悪をもくろむ連中の目指すものなのです)。
 しかし、イエスでも出口王仁三郎でもいいのですが、霊能力をもった人 間が野に 現れると、それは宿命論や権威主義の枠からはみ出してしまうので、権力の弾圧は厳しいです。
 霊的な力によって奮い立った民衆というものを権力者は恐れるからではないでしょうか。(霊的な力というのは、物をうごかしたり、サイババのように空中から好きなもの を出してみせたり、というような「唯物的」な能力ではなく、もっと倫理的なものでしょう ---オカルトのいかがわしさは、それをもてはやす人たちの欲望があまりに「唯物的」であるところにある、と私はつねづね思っています)。
 また、権力者は、こういうものも独占しておきたいのです。
 軍隊が超能力の実験をやっているというのは事実のようです。

 人間のもつ可能性を追求するかぎり、超能力にもタッチするのは当然なことでしょう。

 いわゆる「科学的」な考えと、不合理な考えの両面から、大衆を運命論者・権威主 義者にして おくのが、いちばん権力者には都合がいいのです。
 おそらく、運命論と権威主義こそが問題であり、運命論と権威主義はその本性からして反科学的、反知性的なものです。

 権力者は、オカルトをも科学をも自分の都合のいいように使いたいので、科学も、オカルトも、不十分にやっておれ、マジにやったら承知しないぞ、ということではないでしょうか。

 大衆をだまそうとする以前に、権力者自身がそういうものに騙されること を好んでいる。
 天皇をシンボルとするというのも、その意味で大変オカルト的なことです。

 唯物論的思考、分析的思考には、非常に重要な役割 があります。それは、大半の宿命論を破壊し、個人の存在を守ること です。
 また、物質性がなかったら、人間には倫理性は不要です。人間の倫理性というのは、あくまで物質を介して成り立っているのです。かりにあの世というものがあったら、霊どうしの間には善悪などあるわけがありません。互いを侵害することがありえないものに、倫理があるはずはないのです。それとも、霊が互いにぶつかったり、食い合ったりすると思いますか?
 ただし、唯物論的思考は、それはそれで、人間に、自分は多かれ少なかれ単なる物質のよせ集めに すぎないとか、科学技術の専門家に身を委ねるほかない受動的な存在だ、という、独自の 宿命論と権威主義を持たせるのではないでしょうか?

 唯物論者である、と自分で名乗るほどの人たちは、そうすることで、すでに大変精神的です。単に(即自的に)物質的なだけの人は、自分を唯物論などと言いません。たぶんお寺と神社で拝んだりしているでしょう。ただ、唯物論では 唯物論者自身の精神性を根拠づけることは不可能です。だからといって、自称精神主義者や観念論者がやってみせる根拠づけが正しいという保証はまったくありません。あとは、論理学で言う帰謬法で、精神性がなかったらどうなるか、と考えてみることしかないのではないでしょうか。まさに地の塩の論理です。

 唯物論の立場に立とうと、オカルトを信じようと、人間のエゴの問題は変 わりなくついてまわるでしょう。宗教は、エゴを越える契機を含んだものですが、その「エゴを越える」ということが、たいへんなエゴのもとにもなるという、やっかいな問題があるようです。

   私個人としては、超能力とされるものは案外、人間が元来もっている自然な能力なのではないか、と思っていますが、超自然現象には興味ありません。イエスが病人を癒したことは信じますが、水の上なんか歩かなくてもいいし、復活なんてしなかったと思います。それと、超能力なんかなくてもいいけれど、普通の意味で人間性と呼ばれるものは、凡百の心理学者をはじめ、そのへんの平均的にチョイいかがわしき人物が自分を基準にして想定したものだから、眉唾だ、と考える権利が、私を含め、大勢の人にあると思います。

   たいへん長たらしくなりましたが、いちおう以上をもって、ブッシュにテレパシーを送ろうイベントの後記といたします。どうせ私の考えたことです。どこかにアナもあることでしょう。そういうご指摘、ご感想などいただければ、さいわいです。

ブッシュ・ミュージアム
少年A≠酒鬼薔薇