ベネスェラ政変劇について

 以下は、ベネスェラの政変劇の報道を追った当サイトの読者で協力者である人からのメールです。
 ご協力に感謝します。

【第1信】

【ベネズエラ政変劇】 ブッシュ政権はクーデタへの関与を否定 [TVEニュース/ABCワールドニュース]

本日(4・17)午前NHK衛星1で放送された「スペインTVEニュース」と「A BCワールドニュース」が、ベネズエラのクーデタ未遂事件のフォロー報道を行った。

[スペインTVEニュース]

●チャベス大統領が「政策評議会」を設置

 クーデタ後の国民和解を図るため、与野党・教会・経営者団体から構成される「政 策評議会」を設置した。

●クーデタに関与した軍幹部10人ほどがボリビアに亡命申請

空軍のソト大佐・陸軍のモラレス中佐ほか総勢10人ほどの軍幹部が、ボリビア政府 に亡命申請しているとのこと。家族を伴いたいとしており、理由は明確ではないが報 復を恐れてのことではないかとされている。

●クーデタに対する見方

ベネズエラ在住の外国メディアは、ベネズエラが二極化しており、不安定要素が残っ ていると見ている。
ベネズエラの政治アナリストは、クーデタ派の後ろに、資産家の一部が付いていたと 見ている。

●ブッシュ政権がクーデタ関係者と事前に会っていた

TVEニュースは、アメリカ政府がクーデタ関係者と事前に会っていたことを認めた が、クーデタを認めたわけではないと、陰謀を否定したと伝えた。

[ABCワールドニュース]

●上院議員の非難にブッシュ政権が必死の弁明

チャベス大統領が2日間失脚していた間にブッシュ政権が沈黙を保ったことで、上院 外交委員会の有力議員が、「民主主義にもとめるものだ」と非難した。
ホワイトハウスは、「クーデタを支持しないと明白なメッセージを送った」と弁明し た。

※ ブッシュ政権がどこよりも明白にクーデタ後に成立した“暫定政権”を承認する というシグナルを送ったのに、「沈黙を保った」という評価も面白いし、「クーデタ を支持しないと明白なメッセージを送った」という弁明も笑える。

【第2信】

【比較考】ベネズエラのクーデター

昨夜、有事法制のニュースを一緒に見ていた○○が
(日本政府が)「こんなに急いでるってことは、もう
アメリカの次の軍事攻撃、決まってるんだろうな…」
とつぶやいたので、びっくぅ!っとしてしまいました。

有事法制ができても、実際に「有事」が起こらなければ関係ない、という人も いるかもしれないけれど、

既にアメリカによる ◆有事のシナリオ◆ が出来上がっていて、
それにせかされながら、忠実な子分が親分の意に沿う形で
法整備を急いでいるのかな。。。

親分さんの意に沿わない政権がどうなるか、
中南米の現代史を見ればよくわかるけれど、

* つい数日前 * のベネズエラのクーデターは?
(話がぶっ飛びすぎ?)

日本ではほとんど取り上げられていませんが…

http://www.asahi.com/international/update/0413/009.html
ベネズエラ政権崩壊に中南米諸国が反発

などを経て

http://www.asahi.com/international/update/0414/007.html
クーデター失敗、チャベス大統領復権 ベネズエラ

ということで、一応チャベス大統領は元に戻りましたが、
状勢はなお流動的かと思います。

このチャベス大統領、政治・経済手法に関しては問題も多い
ようで、反チャベス系デモの際には死傷者を出していたりします。

とにかく、ここでも石油が大きなキーのようです。

゛Killing Hope: US Military and CIA Interventions Since World War II "
゛Rogue State: A Guide to the World's Only Superpower"
の著者である William Blum ( BBlum6@... ) は

このクーデターの裏にCIAがいたことは、
「明日また日が昇るのと同じくらい」明らか
だと述べています。

Blumによれば、
チャベス大統領は:

・「テロにテロで立ち向かうやり方だ」として、アフガン空爆を非難、
 空爆で死亡した子供たちの写真を掲げた。この発言を受けて、
 ブッシュ政権は一時的にベネズエラから大使を引き揚げた。

・キューバに石油を安く売った。

・米軍に非協力的(例:コロンビアゲリラ掃討作戦に際して)

・ベネズエラ内のアラブコミュニティに関する情報を
 アメリカの諜報機関に渡すのを拒否

・グローバリゼーションに異議を唱える。

・サダム・フセインやカダフィ大佐を訪問。

などなど。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A56800-2002Apr15.html
U.S. Seen as Weak Patron Of Latin Democracy
によれば、
あるアメリカ高官は、アメリカ政府がこのクーデターを後押ししたことは 否定しながらも、反チャベス派と接触を持ったことは 認めています。
結局このクーデターは失敗に終わったけれど、
つい * 数日前 * に、
グアテマラやチリのピノチェトのときのようなことが
繰り返されそうになっていたと思うと、
ぞっとするのは私だけでしょうか。

ひるがえって、日本の状況に思いを馳せたとき、
しっかりと親分さんの言うことを聞かねばならない構造が
できあがっているように見えることに、
ぞっとしてしまうのですが。。。

どうもつながっているような気がして。

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