「お願い」にゅ〜す〜「お願い」のお話 更新日2006年7月20日



役者が変われば芝居が変わる… わかぎが常々口にする言葉です。
そこで、大胆にもストーリーを公開してしまうんです!!
前回公演の舞台写真とともに大阪弁ラブストーリーの世界をお楽しみください♪



大正8年。吉原の中に『いてて屋』と呼ばれる一軒の置屋があった。
広い吉原の中でもひと際異彩を放っているこの店は、
花のお江戸にありながら、大阪出身の馴染み客しかとらないという経営方針。
若干22歳の女将・お孝はその不利な商売を自由に漕ぎ回していく。

プロローグ



「お願いや、もうちょっとだけこうしとってくれ…」「お願いされてもあかんもんはあかん。」 いてて屋では、
お孝河内楼の女郎・志保の見守る中、 若い女郎・胡蝶の特訓中。
そこに現れたのは、ライバル『徳島屋』の主人・里見雷蔵。 『徳島屋』の客を贔屓の女郎ともども一晩預ってほしいという。
客の名は藤田修一郎子爵。海軍の中将で錦町のお大尽と呼ばれる人物。
里見の厚かましい申し入れに憤慨しつつも、お孝は女の意地にかけて、藤田を『いてて屋』に居続けさせることを心に誓う。


第一場



外から賑やかに花見帰りの一行がやってくる。
雑誌編集長の松岡の先導でいてて屋に入ってきたのは、あの錦町のお大尽・藤田修一郎子爵。
「もうちょっといてての”いてて屋”、いててもええけどの”いてて屋”とはよう言うたもんや…」
いてて屋の独特な雰囲気にすっかり上機嫌の様子。
徳島屋の冬菊、河内楼の志保、胡蝶らとともに楽しい宴を満喫した藤田は、冬菊とともにお孝が用意した2階の部屋へ…。
そこへ現れたのは帝国海軍第二艦隊に所属する小嶋宇一郎という青年で、藤田を呼んでほしいという。
「 こっちも裸の客預ってるんや、あんたが藤田様の味方やという証拠がない限り上げるわけにはいかへん!」
断固として通そうとしないお孝と、その態度に憤慨する宇一郎の意地の通しあい…。
「お孝の勝ちやな。」その様子を2階から見ていた藤田は、お孝の見事な気風と自分を守り抜こうとするその気概に感動し、
また必ず訪れることを約束して去っていくのであった。



第二場



今日のいてて屋は、大阪の酒造メーカー『寿屋』の宣伝部長・入江敏郎を迎えての大宴会。
松岡曰く、「こましの入さん、はずしの入さん」と呼ばれる遊びの達人らしい。
河内楼の紫、若紫、小紫と、 噺家・蝶々亭さなぎも加わって、一層華やかな空気に溢れている。
男衆・喬二をさんざんからかって楽しんだ一行が夕食に出かけた後、
一人の少女がお孝に連れられてくる。
お梅という10代のその少女は、多分に漏れず親の借金のカタに身売りされてきたという…。


第三場



季節は夏。蝉の鳴き声が響く中、
雑誌『大大阪』の編集長・松岡とその部下・朝吹輝美子が 『いてて屋』を借りて、冬菊の取材中。
絵描きの堀も同伴して、花魁の特集記事を組もうというのだ。
が、様子を見にやってきた『徳島屋』の里見の話から興味を抱いた輝美子は、お孝のことを記事にしようと意気揚々。
そこへ、足抜けしようとして追われた胡蝶が飛び込んでくるが、 河内楼の男衆に乱暴に連れ戻さてしまう…。


第四場



今夜は、藤田子爵、松岡、入江が揃い踏みで宴を楽しんでいる。
花魁らとともにさなぎの余興に盛り上がる中、すごい剣幕で乗り込んできたのは、さなぎの女房・お稲。
嵐のように去っていく二人にあっけにとられる面々。
そこへ藤田に呼ばれて小嶋宇一郎が『いてて屋』にやってくる。
日本で初めてのヌードポスターを作るという入江の計画に藤田は感激しているが、
堅物の宇一郎には想像もつかない様子。
そんな生真面目な宇一郎を可愛がっている藤田は、 外にできた娘と祝言させようと考えているらしい。
めでたい話に盛り上がりながら、藤田たちは夕食をとりに河内楼へ。
玄関の外には、もう一人、藤田の部下が…山野順平という海軍中尉。

宇一郎と同じく廓が苦手な山野は、『いてて屋』に残り、夕食をとることに。
そこへ、長い間風邪で休んでいたという志保が現れる…。

第五場




河内楼の大女将・音羽の言いつけで、今夜のお孝は芸者のいでたち。
喬二がお孝の支度をしているところへ、松岡と輝美子がやってくる。
彼らに同行してきたのは、あの藤田子爵の姉・葛木綾乃という人物。
輝美子は大ニュースだというが…。

綾乃が去った後、若紫がやってくる。
同じく音羽のいいつけできたのだが、 お孝も若紫もその理由がわからない様子。
そこへ現れたのは、男装の音羽。
あの志保が足抜けしたときいて、驚くお孝と若紫。
音羽は「必ず今夜中には戻ります」という志保の言葉を信じて、大芝居を打つ気らしい…。


『徳島屋』の里見に連れられて、昔の志保の馴染み・神崎が『いてて屋』にやってくる。
最近は『いてて屋』に出入りしているらしが、志保が引退すると聞いて、
最後に一夜をともにしたいという。
志保が戻ってくるまでなんとか神崎の気をそらそうとするお孝たちと、
早く神崎を志保にあわせて『徳島屋』につれて帰ろうとする里見…。
音羽たちの大芝居の結末は?



エピローグ




数年後、置屋を閉め、今はカフェとして営業している『いてて屋』。
喬二の思い、お梅の成長とともに、当時『いてて屋』に出入りしていた面々も新しい道を歩み始める。
輝かしい未来…花界で生き抜く意地…女郎もそれぞれに…。
それを見守るお孝のもとに、宇一郎が現れる…。



続きはどうぞ、劇場でお楽しみくださいませ♪
 
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