入角ノ池の淵の木の穴に首を隠す? /
補助カバンに首と金ノコを入れて運んだ?



入角ノ池に降りる斜面は急でけわしく、ロープを使わなければ降りることができない。「調書」に書かれているように、首とノコギリの入った重い補助カバンを片手に持って降りるのは不可能だ。


J君の首を隠したとされる、池の淵の「木の根元の穴」というようなものは、探しても見あたらない。


7月9日付の「調書」によれば、5月25日の午後にA少年はJ君の遺体を切断したのち、タンク山から図のように入角ノ池に向かった、とされている。人通りの多い日曜日の真昼の街中を、しかも警察や団地自治会の人たちがJ君を捜索している真っ最中に、首を入れた黒いビニール袋をブラ下げ金ノコを入れた補助カバンを腹に隠して歩いていた、というのだ。

補助カバンに首と金ノコを入れて運んだ?


A少年が金ノコや首を運ぶのに使ったとされている厚い布でできた補助カバンの大きさは、縦43センチメートル、横37センチメートル、幅10センチメートル。これに金ノコを入れると柄の部分がとび出してしまう(右側の“糸ノコ”ならば長さが短いので一応は収まる)。


この補助カバンに、人間の頭部の形状・大きさの物を入れると、カバンは大きくふくらんでしまう。

   
7月17日付「調書」でJ君の首を切断した凶器は突如として「糸ノコ」から「金ノコ」に訂正された。しかし、両者は大きさも形状も刃の幅も全く違っている。“最大の物証”の確定はかくもデタラメなのだ。

   
左 金ノコを入れた補助カバンを「折り畳んで、腹の中に入れた」(7月9日付「調書」)ならば、トレーナーを着た少年の腹は異様にふくらんでしまう。
右 首と同じ6〜7kgの重さの物を入れると、黒いビニール袋はシワが寄って伸びてしまう。長時間持ち歩けば敗れてしまうに違いない。

   

元のパンフ第3集に戻る